かつてネットの人気者だった石破茂が「中国・反日勢力のスパイ」とネトウヨに嫌われるまで【篁五郎】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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かつてネットの人気者だった石破茂が「中国・反日勢力のスパイ」とネトウヨに嫌われるまで【篁五郎】

■安倍からの攻撃にも大人しくならなかった石破

  しかし、これで大人しくなるような石破ではなかった。

   2019年の参議院議員選挙目前、自民党本部から全所属議員に配布された冊子がある。「フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」というものだが、石破はこの冊子を全否定したのだ。

「作成者は『保守の立場から論じている』と言いたいのでしょうが、私に言わせれば、内容以前に悪意や中傷が目に付いてしまいます。(略)このような文章で広く国民の共感を得られるとは到底思えません」(「文藝春秋」インタビュー)

 この発言にネトウヨは反発、石破への攻撃を強めていくことになる。ネトウヨが石破へ「離党しろ」「左翼」と言い出したのは、この頃からである。

 ネトウヨ御用達メディアも援護射撃する。「夕刊フジ」では、2020年9月2日に石破のブログを取り上げ、以下のような記事を掲載した。

「韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めた背景について、『日本が敗戦後、戦争責任と正面から向き合ってこなかったことが問題の根底にある』と発信して話題となった。党内で疑問視されただけでなく、ネット上では『鳩山由紀夫元首相とソックリだ』などと批判された」

 記事は「左派野党やメディアと重なる発言内容が、沖縄や野党支持者の評価を得た可能性はある」と締めている。まるで石破が野党やマスコミと結託して安倍を攻撃しているかのような内容である。

「安倍さんへの批判は許さない」「安倍さんを批判する石破は潰す」

 これが彼らが石破批判を続ける理由であり、彼が何をしても否定するであろう。安倍や麻生の周りでチョロチョロしてヨイショしてきた連中は、ネトウヨに支持されて飯を食ってきた。これからも飯の種を確保したいから石破を叩き続けるだろう。

 石破の前途は多難と言えるが、ネトウヨとネトウヨ言論人の戯言は無視してほしい。彼らは愛国者でも保守でもない「歴史や政治の知識が乏しいのに口出ししたい一般人」なのだから。

文:篁五郎

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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